こんにちは。トレトク編集部です。
みなさんは、“この世に1枚しかないクリボー”をご存知でしょうか。
それは、2001年8月12日開催「アジアチャンピオンシップ2001」の3位入賞商品の「クリボー」のことです。
一応印刷の関係で同じイラストのものは何枚か存在するのですが、実際に入賞者に配布されたケース入りの【オリジナル】は世界でたった1枚しかありません。
そして、実は、世界でたった1枚のクリボーは現在トレトクが所蔵しております。
頑丈な金庫で超厳重に保管されています。
今回はそのクリボーについて、トレトクのトレカ担当責任者、通称・トレトク店長にインタビュー形式でいろいろ聞いてみたいと思います。
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そもそもクリボーとは。
この記事をご覧になっているのは遊戯王プレイヤーの方がほとんどだと思いますが、一応クリボーについても説明させてください。
クリボーとは遊戯王のモンスターカードの一種です。
ステータスは低いですが、手札から効果を発動することで戦闘のダメージを0にすることができます。
カードとしてのスペックはさほど高くはないですが、原作・アニメにて主人公・武藤遊戯が愛用し、作品のマスコット的キャラクターとして活躍したことから今も根強い人気があります。
「アジアチャンピオンシップ2001」賞品って何だ。
2001年8月12日(日)に開催された世界大会です。
1位から4位の入賞者とジュニアクラスの優勝者にはそれぞれ入賞者が希望したカードが個別に描き下ろされました。
イラストを担当したのは遊戯王シリーズの生みの親・高橋和希先生。
原作者描き下ろしイラストの特別なカードというわけですね。
【賞品カード名一覧】 |
優勝賞品「青眼の究極竜」 |
準優勝賞品「デーモンの召喚」 |
第3位賞品「クリボー」 |
第4位賞品「ヂェミナイ・エルフ」 |
ジュニアクラス優勝賞品「真紅眼の黒竜」 |
準優勝賞品の「デーモンの召喚」以外のカードはそれぞれショップや個人が保有し、大切に保管されています。
しかし、この準優勝賞品の「デーモンの召喚」だけは大会から20年以上たった現在もどこにあるかは不明。
ちなみに、優勝賞品の「青眼の究極竜」は過去オークションで数百万円で取引された経験があり、現在の市場価値はそれと同等かそれ以上であると考えられます。(攻撃力4,500にちなんで4,500万で販売されたことも…。)
また、他の4枚に関しても同様ですが、世界に1枚しかないなので価格だけでは測れない価値があり、実質”言い値”であるとも言えます。
── トレトクオフィス
編集部:店長、先輩から「ウチにはやばいクリボーが眠ってる」って話聞いたんですけど、うちってクッパ城か何かなんですか?
店 長:クッパ城ではないけど世界に1枚だけのクリボーはあるよ。
編集部:やば…。だったら今度出る新パックの「ANIMATION CHRONICLE」にクリボーテーマが登場するらしいのでそれに合わせてクリボーで記事書きたいです。話聞かせてください。
店 長:いいよ。
ということでトレトク店長に聞いてみた。
Q1.ずばり、販売金額はいくらになりますか?
編集部:世界に一枚ってとんでもなくレアなカードですよね。いざ買おうと思ったらっていくらくらいになるんですか?
店 長:正直いうと言い値なんでなんとも言えないんだけど…。まぁ強いて言うなら「一軒家が建つくらい」かな。私達がいる北陸で家建てるのと同じくらいはするかなぁ。
あくまで目安だけどね。
編集部:うわ…もうめちゃめちゃな金額じゃないですか。カード1枚でそんなに高いなんてびっくりですよ。金の延べ棒みたいなもんじゃないですか。
Q2.本物見せてもらえたりしませんか?
編集部:そんなわけわかんないくらい高いカードが本当にウチにあんのか怪しく思えてきました。本物見せてくださいよ。
店 長:いいよ。
編集部:え、いいんだ…。
ということで本物を拝ませてもらった。
編集部:これかああああああああ!!!!
店 長:写真とるの下手くそだね。
編集部:ビビって慎重にやりすぎました。もう少しこだわればよかったです。そしてこちらが公式からのご案内!!
編集部:クリボーはしっかりガラスケースに入ってるんですね。
店 長:ケースに入ってるのが入賞商品として配られた【オリジナル】の証拠のひとつでもあるからね。
編集部:よく見るとちゃんと遊戯王カードですね。
店 長:そりゃ遊戯王カードだからね。
編集部:店長!こ、これは…!
店 長:純銀製の「青眼の白龍」だね。
編集部:か、かっこえええええええ~~!!
店 長:貴重なカードは金庫でしっかり保管されてるんだよ。
Q3.買い取った経緯について教えてください。
編集部:これをお客様から買い取った当時のことって覚えてますか?
店 長:覚えてるよ。えっとね。
だいたい3.4年前くらいかな。特に事前連絡とかも無く突然届いたんだよね。最初にその箱を査定しようとした子が駆け寄ってきて、「店長、やばいのきたかもしんないです」って言うから見に行ったんだよ。
宅配キットのダンボールの中に、緩衝材のプチプチで包まれた箱が1個だけ入ってた。で、その箱の中に新聞紙で巻かれた「クリボー」が超厳重に入ってた。私含めてみんな「え?本物??」ってざわついてたね。私が手袋つけて丁寧に取り出して査定を開始。まわりにオフィスのみんなが人だかりになってて査定を見守ってたよね。真贋判定とかいろいろやってみたけどどう見ても本物。どうやら本当に本物らしいと。
でも断定はやっぱ危険だからさ、送っていただいたお客様に連絡して手に入れた経緯を聞くことになったのよ。お客様は過去にトレトクで買取していただいた履歴があって、そのときも高額なカードを何枚かお売りいただいてたんだよね。で、お客様とお話させていただいて、双方合意のうえで買取させていただいたって感じだね。
編集部:いきなりそんなクリボー入ってたらビビリますね…。
店 長:まぁさすがにびっくりしたよねぇ。こういう仕事柄だから高額カードを取り扱うことはあるけど、レベルがちょっと違うからねぇ。
Q4.いわゆる高額カードってけっこう頻繁に来るんですか?
編集部:実際、高額といわれるカードってどのくらいの頻度で来るもんなんですか?
店 長:まぁそもそも何円から高額とするかが曖昧だし、お客様が我々を信頼して送っていただいてるので頻度とかも一概には決まってないけども…。
編集部:まぁそうですよね…。
店 長:でも仮に1枚100万円以上するカードを高額とするなら、だいたい年に3~5回程度は送っていただいている印象かな。10万円以上とかまで範囲を広げるともっと頻度高い。毎月1回程度は来るイメージ。
編集部:へぇ~。けっこうみなさん高いカードを持ってらっしゃるんですね。
Q5.トレトクでは高額カードをちゃんと買い取るための工夫や仕組みなどはありますか?
編集部:高いカードが頻繁に来るなら、ちゃんと査定するための工夫や仕組みとかもちゃんと整ってそうですね。せっかく記事にするのでアピールしたいなと…。
店 長:そうだね。そこに関してはできる限りのことをしているつもり。
1枚10万円を超えるカードは真贋判定とダブルチェックを必ず徹底するようにしてる。値段に関わらず稀少なカードは社員1名+店長でのダブルチェックが絶対必須。もちろん見落としなどが無いように1枚ずつ丁寧に査定するよう社員教育も行ってるよ。真贋判定用の機材も用意して、高額カード用のチェックシートで細かく査定してるね。
編集部:真贋判定ってカードのどこを見るんですか?
店 長:具体的な項目については企業秘密ってことで…。強いて言うならチェックシートを作成して全ての項目が本物と同じかどうかをチェックしてるよ。
編集部:ほえ~、めちゃくちゃ細かい。かなり気を使う部分なんですね。
店 長:実は数年前に一度査定ミスをしてしまったことがあって…。それ以降イチから見直して査定システムを徹底的に作り直したんだよ。まだまだ改善できるところはあるかもしれないから、これからも気を抜かずにやっていこうと思ってるけどね。
編集部:なるほど、絶対に譲れない部分ってわけですね。
Q6.TCGイベント「バベル」に展示したときの話も聞きたいです。
編集部:話は変わるんですけど…。以前トレカのでかいイベントに出展したって聞いたんですが、それについても聞きたいです。
店 長:一昨年…?くらいに参加させてもらった『バベル』のことかな。
※TCGイベント「バベル」
2019年11月に六本木のクラブ「V2TOKYO」で開催されたTCGのイベント。
『遊☆戯☆王』『ポケモンカードゲーム』『デュエル・マスターズ』『Magic: The Gathering』の4種類のTCGを中心にゲストによる対戦イベントや貴重な高額カードのオークション、有名コレクターの所蔵するコレクションの展示、アーティストによるライブドローイングなどが行われました。TCG業界のインフルエンサーやYoutuberも多数参加し、話題を呼びました。参加費は2万円で、ドレスコードの指定や一流の料理など『大人向け』イベントとして新たな試みとなりました。
▼こちらの記事でも詳しく解説されています。
『1枚5000万円!? カードゲームの”ブルジョワ化”がすごいことになっていた』
編集部:それですね。うちが参加することになった経緯とかあれば聞いてみたいです。
店 長:最初に、大人向けの今までとは違ったイベントが開催されるという話を聞いて、概要とか見てぜひ参加したいなと。
編集部:オークションとかもあったらしいですが、ウチも出品したりしたんですか?
店 長:クリボーはさすがに出せなかったけど、MTGの高額カードや遊戯王の初期の高額カードなんかを出品させてもらったよ。ちなみにクリボーはショーケースで展示させてもらってた。
編集部:クリボーの反響はいかほどでしたか?
店 長:意外と好評で安心したのを覚えてるなぁ。みなさんたくさん写真撮ってくれて、それをSNSにアップしてくれて。クリボー持ってるのを世の中に公表したのがそもそも初めてだったし、それまでは誰が持ってるかも不明だったからね。
でも実を言うと、もし荒れたらどうしようなんて思って緊張してた(笑)。ちゃんと査定したつもりだけどこのクリボーが超絶精巧に作られた偽物だったらどうしよううって。私もプロとしてしっかり査定したけど、それでも一抹の不安はあった。だから評判が良くて安心したし、嬉しかったよね。
そういえばバベル以降、「売ってくれ」って旨のお問い合わせを何件かいただいたね。まぁ、売る予定は無かったのでお断りさせてもらったんだけどね。
編集部:写真とって拡散してくれるの宣伝的にも嬉しいですね。
でもそうか…、偽物だったらたしかにめちゃくちゃやばいですもんね。大丈夫と思っててもちょっと怖いですね。
Q7.出展を決めた理由について教えてほしいです。
編集部:今まであんまり露出とかもしてこなかった感じじゃないですか。どうしてこのイベントに出展しようと思ったんですか?
店 長:そうなんだよね、トレトクは店舗を持たないからイベントとかも出てこなかったんだよね。他のお店の方とのコミュニケーションとかもほとんど無くて。だからこれを機に同じTCG業界を盛り上げる同業者の方たちとお近づきになれればという思いもあったね。特に自分たちはネット売買だけなので、実際にお客様と触れ合ってやりとりしている方々と意見交換できる場として活用したかったんだ。
そしてなにより実際にお客様と関われる貴重な場として大切にしたいと思ったからかな。高額カードの出品ってかたちだったけど、自分たちもTCG業界を活気づけるお手伝いができればという気持ちがあったね。
編集部:めちゃくちゃいい話じゃないですか。たしかにウチはお客様と直接対面することってないですもんね。
店 長:やっぱお客様の生の声って大切なのよ。
Q8.今後もこのクリボーちゃんは金庫でお留守番ですか??
編集部:最後の質問なんですけど、この子は今後も金庫で留守番ですか?販売する可能性とかどこかで展示する可能性とかってありますか?
店 長:質問の方向性変えてきたね…。まぁ正直言うと、今んとこ売る気は無いね。
でも別に隠してるわけじゃないからイベントとかで展示させていただけるならぜひ参加させていただきたいかな。ほら、ウチ店舗とかないから飾っておくとかもできないし。
編集部:ですって、読者の皆さん。見たかったらイベント呼んでくれってことらしいっすよ!
店 長:言い方ってのがあるでしょうよ…。
インタビューを終えて
編集部:本日はインタビューに対応いただきありがとうございました。
店 長:お疲れさまでした。
編集部:自分はトレトクに入って日が浅いのでいろいろ知れて面白かったです。
店 長:感染症とかが落ち着いたらまたクリボーと一緒にイベントに参加できたらいいよね。